2008年4月中旬


4/20(日)……BTQ

▼いちおうもういっぺんだけ告知を上のほうに持っていっときます。OHP月極アンケート5月分「期待の新鋭作家2008」やってます。よろしくお願いします。

【単行本】「宙のまにまに」4巻 柏原麻実 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 高校の天文学部の面々の青春物語を明るく楽しく。ストーリーとかはもう一つまとまりが悪いかな?ってな気もしてしまうけれども、絵のかわいさやキャラクターの魅力がそれをカバー。主人公の朔くんは、幼なじみの美星、同級生の姫ちゃんとモテモテだが、さらに文芸部・琴塚ふーみん先輩が朔への想いにだんだん自覚的になってきていて良い具合。これまでラブコメ的には姫ちゃんがたいへんよろしかったのですが、ここにきて琴塚先輩が一気にググッと伸びてきた。恋愛的には勝ち目のなさそうではあるが、わりと萌えキャラだと思う。そんなわけでドタバタ楽しいです。

【単行本】「愛気」6巻 ISUTOSHI 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も飄々と戦っていて面白い。物語の本筋部分である学園内の武術抗争みたいなのはわりとどうでもいいんだけど、主人公・承久らの技はそれぞれ個性的で見ていて気持ちがいい。主人公が無敵すぎる点は普通の格闘モノだったら歯ごたえなさすぎに見えるかもしれないが、この作品の場合は、その偉そうな態度と相まってなかなか痛快に作用していると思う。ストーリー面は強くはないが痛快なのが魅力。

【単行本】「ユリア100式」6巻 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白いです。今回から新たに加わった新キャラが、アメリカからやってきた、新型の汎用人型プレイドール、ルーシーMarkII。アメリカンだけに、というとアメリカ人に失礼かもしれないけれども、あえぎ声がやたらデカくて「ヘイカモーン」「ファックミー」などとやたら開けっぴろげ。洋ピンのハードコアポルノをさらに極端にしたようなノリに、日本人たちはみな引いてしまう。

 個人的にはルーシーはこれまで出てきた中では、かなりツボなキャラ。個人的には、昔から洋ピンポルノのノリはけっこうネタ(実用ではなく笑いの)にしてたりしたので、登場するたびにニヤッとしてしまう。アメリカンな大味さ加減をギャグとしているけど、ツッコミはけっこう細かくて、気が利いている。ノリが良くてとても面白い。あと瞬介のプロレスネタもけっこうイイです。なんかシャレにならないくらい痛そうな技かけてますね。

【単行本】「喰いタン」9〜10巻 寺沢大介 講談社 B6 [bk1:9巻/10巻[Amzn]

 相変わらず食って食って食いまくり。ふてぶてしく食って、付け足しのように推理するといういつものばかばかしいノリは不変。9〜10巻の中では、10巻に収録された第70話「元天才料理少年の店で舌鼓を打つ!!」がとくに印象的。セルフパロをいけしゃあしゃあとやっちゃってるし、ネタの料理の仕方もこれまたくだらない。食い物については、レシピをもう少し詳しめにやってくれるとなおうれしいんですが、どれもまあそれなりにうまそうだし、食い物うんちくも楽しい。なんのかんので面白いです。

【単行本】「美〜ちく」 DISTANCE コアマガジン A5 [Amzn]

 DISTANCEのコアマガジン初単行本。これまでも他の出版社で看板的な存在だっただけにその実力はさすが。ボリューム感たっぷりのおっぱいが、ぶるんぶるん揺れまくるさまは壮観で、パッと見でたいへんエロい。断面図描写も駆使しまくる。その迫力は特徴的なんだけど、セックスの嗜好としてはオーソドックな巨乳肉弾系。せいぜいフェラチオ、パイズリ程度までで、ずんずん突っ込んでぶるぶる乳が揺れる描写を楽しみたい人向け。

 お話のほうは最終的にラブラブになるものが多くて、後味はだいたい良い。お嬢さま、女教師、ソフトボール少女、幼なじみ、先輩、彼女……とまあ出てくるキャラもさほど珍しい設定のものはない。妹や姉など近親相姦ものがないっていうのは、最近のエロ漫画単行本では珍しいほうかも。

 とまあエロシーンのバリエーション、フェチ的にそんなに多彩ではなく、お話自体もそう珍しいことはやっていないにも関わらず、これだけのエロさが出せているというのはその描写力のたまもの。むっちり充実した乳が手で揉まれて形を変え、ずんずんファックされた揺れまくる様子は迫力満点。お肌のつやつや感や、汗でしめってピンク色に染まったような、ムンムンくる感じがたまらない。まさに奇手を使わない直球勝負のエロ。巨乳好きなら確実に使える、充実したヌキアイテムだと思います。

【単行本】「お姉がイイっ!」 奴隷ジャッキー コアマガジン A5 [Amzn]

 奴隷ジャッキーもコアマガジン初単行本。相変わらずものすごくテンションの高い作品が多くて圧倒される。わりとオーソドックスなエロ漫画もあることはあるんだけど、やはり自分としてはぶっとんだ作品に強く心を動かされます。

 例えば「DECOりーん」なんかはかなりすばらしい。男子が全員おでこ好きというヘンな学園に入学してしまった、ものすごくつやつやなおでこの持ち主である娘が、登校と同時にみんあにデコ姦されまくるという内容。男どもが、おでこにくっつけたちんこを軸にぐるんぐるん空中回転するなど、あまりのアホらしくてアクロバチックなファック内容にあ然としてしまう。

 「台風55号」もすごい。日本を立て続けに襲った55個の台風は、全部南極にいる女性のバットによる素振りから繰り出されたものだった……という実にダイナミックなネタ。なぜエロ漫画でそんなスケールのデカいことをしなくてはならないのかよく分からないが、そのぶっとび感は並じゃない。

 女の子たちがオナニーのしかたを覚えようとして、なぜか兄たちとセックスを繰り広げる「おなG〜♥」シリーズもしょうもない作品。全3話だけど、兄のことを好きすぎる妹が48の必射精(ひっしゃつ)技のオンパレードを見せる3話めはとくにすさまじい。

 最近は変なエロ漫画を描く人は少なくなってきたけれども、この人は数少ないぶっとび漫画の描き手。絵がちゃんとかわいくて肉感的だからこそ、こういうヘンなのやっても許されるんだろうなあと思う。これからもどんどんスゴいのを描いていっていただきたい。


4/19(土)……寝込む数名

【雑誌】COMICリュウ 6月号 徳間書店 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 2008年4月号に掲載された「妖怪っぽい」で第2回龍神賞銅龍賞を受賞した、いけが連載を開始。タイトルは「ねこむすめ道草日記」。「妖怪っぽい」の続きエピソードで、キュートな妖怪のねこむすめや、その仲間たちの生活をほのぼのと描いていくという感じ。今回は桜の木の木霊と、子供のころからその桜の木が大好きだった女の子の絆を暖かく描写。ペンタッチが鮮やかで、ねこむすめをはじめとした少女たちをなかなかかわいらしく描けている。今回は、ストーリー的にもちょっとほろっとさせられる部分もあって、気持ち良く読むことができた。リュウは良い若手作家をどんどん登用してきますね。

 アサミ・マート「木造迷宮」。スランプのダンナさんを励ますべく、ヤイさんが彼を散歩に連れ出す。今回もヤイさんはたいへんおくゆかしいうえにかわいらしい。のんびりしたその雰囲気にホッとした気分にさせられます。坂木原レム「となりの部署まで何マイル?」は、無類の山好きの社長のせいで、険しい山中に社屋(たぶん本社?)をおったてている会社の模様を描いたコメディ。軽めな作品でまあまあ楽しい。なお坂木原レムは、次号から新連載「フルイドラット」を開始する予定とのこと。

 平尾アウリ「まんがの作り方」は3話めが掲載。元漫画家の先輩女子に、現役女子高生漫画家の後輩が告って付き合い始めて……というガールズラブストーリー。スッキリとした達者な絵柄で、二人の関係を楽しく描いていて、なかなか面白い。読切が好評のようでちょくちょく登場するようになってきたので、連載化も近いかな?

 安堂維子里「メルトイズム」。学校の授業で、地球も一つの生き物であり、そういう意味では人間と同質なものだと教わった主人公少女。しかし彼女は、教わるまでもなく地球と人間は同じ者だと思っており、むしろ地球と自分たちを分かつものは何なのかということに想いを馳せていた。とか書くとすごく難しげな話に思えるかもしれないけど、実際にはファンタジーテイストで、あまり構えることなく気持ちよく読めるお話に仕上がっている。初めてこの人の作品を見たときから「五十嵐大介っぽい」とは思っていたけど、少しずつではあるものの、自分ならではの持ち味も出て来つつあるかな? とりあえず今回の作品は、爽快感があって好印象でした。

【雑誌】ウルトラジャンプ 5月号 集英社 B5平 [Amzn]

 ha-ruが再登場。「Princessstick」。魔王を倒す旅の過程で、武器屋の青年に一目惚れしてしまった姫が、武器屋の勧めるまま木の棒で戦いまくっていくというドタバタコメディ。明るい作風で女の子もまずまずかわいく、気楽に楽しめます。

 読切の八木ナガハル「宇宙歪譚シリーズ 2999」は、たいへんSFっぽい感じのするお話。一人の少女が自分のためにだけ創られたという世界で、すべての人間が参加するじゃんけんゲームをしていくというお話。そのゲームを終わらすには、トーナメントで999連勝しなくてはならず、それには2の999乗分の参加者が必要。最初のうちは手近なところで相手が見つかるが、回数を重ねるにつれ同じ惑星、銀河系内で相手が見つからなくなくなり、そのために彼女は銀河を渡り歩いていくことになる。

 絵的にはまだ洗練されておらず、固さが気になるが、理屈っぽいけど個性的なお話作りは気になる。とくに「2の999乗」というのは言葉に出すのは簡単だけど、厳密にやろうとするとここまで大事になる……と分かりやすく示してるのは面白い。線の雰囲気的には、ちょっと粟岳高弘に似た雰囲気(ペンタッチ程度ですが)。まだうまいとはいえないけど、なかなか面白げな人材ではある。

【雑誌】月刊サンデーGX 5月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」。なぜかみんなで海遊び。普段は銃撃戦とかやってるくせにのどかだなあ。で、今回はバルメのワガママボディにみんなの視線が。腹筋はゴツゴツしているけど、乳はデカい。しかも眼帯であると。なかなかにヤバい物件であるといえましょう。てなわけで本筋の進みはともかく、ほのぼの感およびサービスの楽しい回でした。

 犬上すくね「エンジェル高校」。敵対するライバル校である堕天使高校の生徒会長女子・マリアと一緒に、山の中ではぐれてしまったルキオ。雨が降りしきって、マリアは寒さに震えるが……。この一件がきっかけとなって、マリアにフラグが立ったりしますかのう。恋愛方面的にも気になるところ。

【雑誌】チャンピオンRED 6月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 新連載で「装甲騎兵ボトムズ CRIMSON EYES」(原作:矢立肇+高橋良輔)が開始。漫画を担当するのは杉村麦太で、ちょっと意外な人選という感じ。ボトムズといえば男くさい、ゴツいイメージがあるが、今回の漫画での主人公は人間爆弾として敵陣に送り込まれた少女・レッカ。彼女はATの操縦でも非凡な才能を示すが……といったところ。どうなっていくかはまだ分からんですが、とりあえずボトムズは好きな作品だったし、続きに期待します。

 八神健「どきどき魔女神判!」。今回もパロディネタてんこ盛りでノリノリ。すごくネタが多彩ですなあ。それにしても今回は、ジャンプネタでけっこうきわどいのをやってきてますな。なんでもありだなあ。やぎさわ景一「突攻!メイドサンダー」。今回は摩騎がメイド喫茶の助っ人をすることになり、コスプレをしたりする回。そこで元々働いていた雅人のクラスメイトの林さんが、少年チャンピオンネタのコスプレをしててちょっと笑った。こちらは浜岡賢次のアシスタントつながりのネタだけど、なんかいろいろパロディづいてますね。

 読切、加藤和生「女教師は妄想する」。美人なんだけど、解剖したカエルを培養したりしてるせいで生徒から気味悪がられている女教師さんが、生徒の人気を得るべく間違った努力をしまくるというギャグ。なかなか刺激が強めで悪くないか。二ノ瀬泰徳「銃の花嫁」は巨大な銃に見込まれた少女が主人公のガンアクション。といっても二ノ瀬泰徳らしく煩悩全開。おっぱいを使って銃を磨くとか、勝利の後、相手の娘さんをエロエロにしちゃうとか、相変わらずな感じです。

【雑誌】月刊ヤングキング 6月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 ISUTOSHI「愛気」。カラス一味の副将格の2人、イノ・シカと、景安ら女性陣3名が激突。二人ともカラスの手下の中では強そうな雰囲気だったので、激しい戦いになりそう。日常シーンは軽妙な調子で、バトルになると激しく。緩急の効いたお話作りで安定して楽しい。各人の技もそれぞれ動きが個性的で見てて面白い。

 松本耳子「ぷちキャバ」は、キャバクラ嬢の実態をかわいく描いた作品で、わりと興味深い。かわいい絵柄だけど、面接時のメイクノウハウとか、初めてキャバクラ体験する人を落とすテクみたいなことも描いてて、けっこうリアリティを感じさせる。それにしても松本耳子は作風が洗練されましたねえ。もともとかわいげのある絵柄だったけど、最近はカチッと完成されて、すごく安定感のある絵になってきてるなと思います。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/5 No.9 小学館 B5中

 村上もとか「蠢太郎」が掲載。時代はたぶん明治初期。江戸歌舞伎で女形をやっていた父とともに、女装姿の舞の芸で日銭を稼ぎながら、放浪の旅を送っていた踊り好きな少年・蠢太郎の生涯を描いていくという感じ。まだ幼い蠢太郎だが、その行く手には数奇な運命が待っていそう。次号で後編が掲載されるそうだけど、前後編で終わりなのかな? 巨匠の作品だけあって読みごたえはけっこうあるし、シリーズ化しても良さそうな感じではありますが……。

 吉田戦車「フロマンガ」。連載100回記念の特別編が掲載。今回は吉田戦車と、つい最近吉田妻となった伊藤理佐の二人が、温泉旅行に行ったときの模様を描いた旅漫画。二人が仲良さげにしている模様が微笑ましい。なんだかイチャつかれているようで嫉妬……は別にしません。なお今号では、「フロマンガ」連載100回記念で特製浴衣のプレゼントが行われている。

【雑誌】近代麻雀 5/15 竹書房 B5中

 前田治郎「ナグモ」。今回はナグモを狙うオシャレ男・ナルミと対決することになるが、ナグモは相変わらず初モノ相手には弱いですね。けっこううかつなところがちょっと微笑ましかったり。厳しい勝負では命取りになりそうな弱点だけど、今後克服できるんですかねえ。

 あと今号には、ヤングキングで「由良COLORS」を描いている藤堂裕の「ノーメン ノークライ」が掲載。能面をかぶった最強雀士・能面男の活躍を描く作品。シリアスっぽく見えてけっこう馬鹿馬鹿しい。ノリは良くてまずまず。

【雑誌】花とゆめ 5/5 No.10 白泉社 B5平

 日高万里の集中連載「ベリーベリー」がスタート。高校に入学したばかりの、かわいい双子娘、くるみ・紗々姫が主人公。二人はお互いの間ではテレパシーで会話できる能力を持っており、その力を生かして、友達と一緒に学園の女子の悩みを解決するクラブを始めるのだった。双子娘がとてもかわいいし、テンポ良く展開するお話もなかなか楽しい。続きも楽しみ。

 ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河町商店街」。今回は幼なじみ6人衆の中でも一番地味な女の子・サトがメインのお話。彼女は昔からクロに片想いしていたけれども、クロの想いがミケに向いていることは分かっていたし、クロもミケも大好きなので恋は諦めていた。そんな彼女が趣味の漫画描きで一歩踏み出すまでを今回は描く。この娘さんは地味ながらもかわいらしくて、6人衆の中でもけっこう気に入っているキャラ。かわいいと思います。まあこの6人の女子はみんなそれぞれいいんですけど。男はクロ以外の二人がもう一つ目立たないですな。


4/18(金)……ino.戦士

▼4月スタートアニメのここまで見た感じでの暫定評価。点数はいつものとおり、標準(まあまあ楽しめるレベル)が6.0。とりあえず現在の時点でとくに楽しんで見ているのが「紅」と「コードギアスR2」。「紅」はお話はどうなるかよく分からないけど、キャラクターにかわいげがあって見てて素直に楽しい。「コードギアス」はハッタリの効かせ方がうまいし、キャラも前作からの積み重ねがあって強い。

 「マクロスFRONTIER」はラブコメ的に面白くなりそう。「仮面のメイドガイ」はギャグがちゃんと面白いし、丸くて大きなおっぱいも眼福。「絶対可憐チルドレン」はソツのない作りでしっかり楽しめる。

 本当はもっと本数絞りたいとこなんですが、今季は全体に飛び抜けて悪いってほどの作品がないのでちょっと絞りづらい。「BLASSREITER」「図書館戦争」「ドルアーガの塔」「RD 潜脳調査室」「あたりは6.0としているけど、ここらへんは、悪くはないがまだちょっとつかみどころがないかな〜といった感じの作品群。いちおうおおむね見るつもりではあるんですが、「RD 潜脳調査室」は、自分とProduction I.Gテレビアニメとの相性の悪さを考慮して様子見のほうに入れておいた。まあむちむち感あふれるキャラは見ててわりと楽しいので、継続しそうな感じですけど。

 「ソウルイーター」は絵と動きは見てて楽しい。棒読みな主人公少女の声の人も、声質自体は悪くなくて、場数をこなしていけばという感はある。でも1年モノという噂をちらほら聞くので、そんなに長く見る気はせんのう……という気はしており、いずれ脱落するかも。「狂乱家族日記」は絵はかわいいのだけど、ギャグがあまり自分に合わなそうな感じなのでどうするか思案中。

視聴継続-------------------------------------------------------
7.0 「[Amzn]
7.0 「コードギアス 反逆のルルーシュR2[Amzn]
6.5 「マクロスFRONTIER[Amzn]
6.5 「仮面のメイドガイ[Amzn]
6.5 「絶対可憐チルドレン
6.0 「PERSONA −trinity soul−[Amzn]
6.0 「BLASSREITER[Amzn]
6.0 「図書館戦争[Amzn]
6.0 「ToLOVEる[Amzn]
6.0 「ドルアーガの塔〜the Aegis of URUK〜[Amzn]
様子見中-------------------------------------------------------
6.0 「RD 潜脳調査室
6.0 「ソウルイーター[Amzn]
6.0 「アリソンとリリア[Amzn]
5.5 「狂乱家族日記[Amzn]
5.5 「イタズラなKiss[Amzn]
5.5 「二十面相の娘[Amzn]
視聴中断-------------------------------------------------------
5.5 「隠の王[Amzn]
5.0 「我が家のお稲荷さま。[Amzn]

【雑誌】百合姫 Vol.12 一迅社 B5平 [Amzn]

 乙ひより「クローバー」。女生徒たちにモテモテのマイペースな生徒会長・橘さんの秘められた恋の物語。委員会で彼女と良いコンビを形成している橋本さんが、幼なじみの彩子ちゃんと仲良くしてるのを見て、橘さんの心はチクリと傷む。普段はゆるゆるした雰囲気の生徒会長の恋心が、切なく描かれていてなかなかいい雰囲気の作品だった。この人は安定して面白いですね。

 タカハシマコ「いちごいちごいちご」。保健室の女医先生に恋していた少女の気持ちを描いた物語。8ページと短いながら、キュートでほろ苦い物語をきっちりまとめていてさすがのうまさ。かずまこを「初恋カノン」も女教師と女生徒の物語。現在進行形な女教師と生徒の二人を見て、かつて同じような形で恋に破れた別の女教師が見つめるというお話。こちらも恋に悩む乙女ゴコロをしっかり描いてて良かった。

【雑誌】ヤングガンガン 5/2 No.9 スクウェア・エニックス B5中

 「ジン〜アニメ精霊の守り人外伝〜」が全8話の短期集中連載開始。脚本は中江美紀で、漫画を描いているのは、アニメ版でキャラクターデザインを担当した麻生我等。アニメのほうは見てないんですが、わりと良い評判は聞くので、そのうち見てみたいところではあります。漫画のほうはまだこれからって感じなんで、1話の段階ではなんともいえず。

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。今度は天々の計略がいろはを弄ぶ。父を籠絡され、さらには彼女の心の支えまで奪われていく。なかなかにストレスフルな展開。これまでこの作品の中でも、恋に武術に、とてもけなげに頑張ってきた娘さんだけに憐憫を誘う。もも子たちの仲間たちに対して次々と魔手が伸びて来ているけど、委員長さんについてはどうなるのかも気になるところ。

 作:土塚理弘+画:五十嵐あぐり「BAMBOO BLADE」。ミヤミヤが覚醒を始めていてカッコイイ。自分が昔剣道をやってたときは激弱だったので、センスのある人はうらやましいなあとかしみじみ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/2 No.17 日本文芸社 B5中

 村生ミオ「SとM」。沙耶との対決が済んだことでそろそろ最終回かなとか思ってたんだけど、なんだか意外な展開に。すべてが決着したということで、安心して家族のもとに戻った戸田だが……。ネタとしてもかなりベタベタな感じで、まだいろいろトラブルはありそう。これからも村生先生はやってくれそうで安心した。沙耶およびビショビショ秘書ねーちゃんはこれからもお話にからんでくるかもしれませんな。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/9 No.18 日本文芸社 B5中

 4/25発売分。にわのまこと「ADボーイ」が今号からシリーズ連載化。テレビ局の看板美人アナに童貞を捧げることを目指して頑張るAD桜田が、実はやった相手をことごとくNo.1にしてしまうという伝説のADだった……ってな感じのお話。ちょいエッチなドタバタコメディといった感じの作品。気楽に読める軽いノリのお色気系作品で、この手の雑誌の箸休めとしてはまずまず。

【雑誌】コミックバンチ 5/2 No.20 新潮社 B5中

 玉越博幸が読切で登場。タイトルは「野性のがるる」。2歳のときから14年間オオカミに育てられた女の子と、彼女の面倒を見ることになった研究員のあんちゃんの触れ合いストーリーといったところ。まあ玉越博幸作品なんで、オオカミ娘は当然美少女で、サービスシーンも豊富。ちょいエッチ系の軽いノリの作品ではあるが、まあ華やかではあるし、バンチにこういう作品が1本あっても良いかなと思った。まあ最近は「女王様がいっぱい」が色気のある展開になってきてはいますが。

 あと今号には、花津ハナヨの温泉旅行漫画「オンナの品格〜混浴温泉に行ってきました〜」が掲載。タイトルそのまんまな実録ドタバタ感じ。これは読者投票企画だそうで、女性読者6人と、セクシー女優のみひろ、それから花津ハナヨらで実際に温泉行くってものだったそうです。写真ページもあり。それにしてもなんだか謎企画ですな、これ。

【雑誌】コミックバンチ 5/9+16 No.21+22 新潮社 B5中

 4/25発売分。大島司「アタック!!」。バレーボール漫画だが、わりと堅実。さすがに実績ある人だけに、試合のシーンの見せ方とかうまいし、ちゃんと恋愛も並行してやってるしでうまい。余談なんだけど、個人的には少年ライバルってこのクラスの人呼んでこれれば一番良かったんじゃないかなあと思うんですよね。少年マガジンでヒットを飛ばした人で、まだまだメジャー感があるし。今は週刊連載抱えちゃってるので無理だと思うけど。

【雑誌】COMIC ino. 6月号 ヒット出版社 A5平 [Amzn]

 「少女天国」からリニューアルして新創刊。表紙にはいぬぶろを起用し、シャレた感じの表紙にしてきた。あと創刊号の特別付録として、「いぬぶろ小画集」もついている。基本的にはロリ系メインの雑誌となる模様で、執筆陣はまずまず豪華な顔ぶれになりそうな雰囲気。少女天国時代からエース格だった犬星は今回掲載されていないけど、次号以降は登場予定。ゴージャス宝田は今回、エロ漫画ではなく作者自身の日常モノである「ガハハも」で登場。というわけで万全の体制とはいえないんだけど、主力クラスが全員揃えば悪くない陣容。ロリ系でオシャレな表紙ということで、LO対向を狙ってるのかもしれないけど、まあ競争して頑張っていただければ読者としてはありがたい。

 で、第1号の巻頭カラーは滑空「真昼過ぎのあひるぐち」。カラオケボックスでバイト中のあんちゃんと、彼とつきあっている少女が、仕事がハケた後、ボックスの部屋でエッチなことをしちゃうという内容。ツリ目気味なちっちゃい娘さんが、彼氏に甘えている様子がなかなかかわいい。

 きりりん「マイ・ファニィ バレンタイン」。バレンタインデーに失恋した少年と、その幼なじみ女子がくっつくというお話。つるんとした丸顔の女の子は相変わらずキュートで、エッチの模様も甘くて幸福感があってなかなか。この人あたりがもっと伸びて、よりコンスタントに掲載されてくるようになると面白い雑誌になるんじゃないかと思います。

 みなすきぽぷり「八月の花」。相変わらずタッチが細かくていいですねえ。日焼けした元気娘さんが頑張っていてカワイイ。がたやん「夜露の光りに誘われて」。お隣に住む幼なじみ兄妹がエッチしているのを目撃した女の子が、悶々とした気持ちにとらわれてしまい……というお話。続きモノだが、次号では兄妹+この幼なじみ女子での3Pになるかな。コミカルな明るい絵柄だけど、ちょっと切ない感じの味わいも出ていてなかなか。

 山下クロヲ「まめしば」。犬耳コスプレしてお兄ちゃんを誘惑しようとしている娘さんがけっこうかわい。少しヘロヘロした感じのタッチもわりといい味わい。あと気になったのは、第10回少女天国新人賞入選作品である、こけん「少女、三里を走る」。まだあんまりセンンレンされてはいないものの、コミカルな展開と、独特の味のあるセリフ回しにはちょっと引っかかりを感じる。

【執筆陣】滑空、みなすきぽぷり、きりりん、ゴージャス宝田、伊佐美ノゾミ、ハッチ、KEN、がたやん、やみなべ、北河瑞樹、てっちゃん、しんいち、山下クロヲ、こけん、まおまお


4/17(木)……寒波苦戦源

▼2008年5月の単行本購入予定。データはまんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

 5月の注目は、エロ漫画ファンの間で「早く出してくれ〜」という声の多かった、鳴子ハナハルのエロでの初単行本「少女マテリアル」でしょうか。あと、個人的には村上かつら「ラッキー」の単行本が出るのがうれしいです。

▼2008年5月単行本購入スケジュール
5/2 「初恋限定。」2巻 河下水希 集英社
5/2 「スティール・ボール・ラン」15巻 荒木飛呂彦 集英社
5/2 「JIN −仁−」11巻 村上もとか 集英社
5/2 「キスよりも早く」3巻 田中メカ 白泉社
5/7 「かずといずみ作品集 小さな惑星の小さなお話」 かずといずみ ジャイブ
5/8 「ヤンキーフィギュア」3巻 ミッチェル田中 秋田書店
5/8 「GAMBLE FISH」5巻 作:青山広美+画:山根和俊 秋田書店
5/8 「フルセット!」5巻 梅田阿比 秋田書店
5/9 「ごてんばチアリーダーズ」3巻 宗我部としのり 少年画報社
5/9 「おたくの娘さん」4巻 すたひろ 富士見書房
5/9 「A君(17)の戦争 −I, THE TYCOON?−」1巻 松本規之 富士見書房
5/中 「幾百星霜」1巻 雁須磨子 太田出版
5/中 「堀田 HOTTA」3巻 山本直樹 太田出版
5/12 「まちまち」2巻 かがみふみを 双葉社
5/12 「暁色の潜伏魔女」3巻 袴田めら 双葉社
5/17 「うさぎドロップ」4巻 宇仁田ゆみ 祥伝社
5/17 「よにんぐらし」4巻 宇仁田ゆみ 竹書房
5/19 「おっぱいパーティー」 オノメシン コアマガジン
5/19 「CLOTH ROAD」6巻 作:倉田英之+画:OKAMA 集英社
5/20 「猫神やおよろず」1巻 FLIPFLOPs 秋田書店
5/20 「僕と彼女のホント」 みた森たつや 秋田書店
5/20 「ひきずり香之介 狐落し 序の章」 正木秀尚 小池書院
5/20 「おもいでエマノン」 鶴田謙二 徳間書店
5/下 「うすバカ昭和ブルース」 東陽片岡 青林工藝舎
5/22 「誰も知らない手塚治虫」 小室孝太郎 小学館
5/23 「テカ☆ピタッ!」 岸里さとし 茜新社
5/23 「美少女しすたあ小悪魔系」 ねんど。 茜新社
5/23 「YOUR DOG」 関谷あさみ 茜新社
5/23 「しおんの王」8巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社
5/23 「怪物王女」7巻 光永康則 講談社
5/23 「家族戦隊ノック5」2巻 能田達規 講談社
5/23 「バガボンド」28巻 井上雄彦 講談社
5/24 「いとしのニーナ」2巻 いくえみ綾 幻冬舎コミックス
5/26 「SOIL」7巻 カネコアツシ エンターブレイン
5/26 「アベックパンチ」2巻 タイム涼介 エンターブレイン
5/26 「まんが極道」2巻 唐沢なをき エンターブレイン
5/26 「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」1巻 作:谷川流+画:ぷよ 角川書店
5/26 「花やしきの住人たち」1巻 桂明日香 過疎化和書点
5/26 「小玉ユキ短編集2 Beautiful Sunset」 小玉ユキ 小学館
5/26 「惑星のさみだれ」5巻 水上悟志 少年画報社
5/27 「ハニカム」 桂明日香 アスキー・メディアワークス
5/29 「女犯坊」1巻 ふくしま政美 実業之日本社
5/29 「二代目はこすぷれーやー」4巻 甘詰留太 白泉社
5/29 「あぶない!図書委員長!」 西川魯介 白泉社
5/30 「オノ・ナツメ短編集 テゾーロ」 オノ・ナツメ 小学館
5/30 「毎月父さん」2巻 ヒラマツ・ミノル 小学館
5/30 「ラッキー」1巻 村上かつら 小学館
5/30 「医龍」17巻 乃木坂太郎 小学館
5/31 「少女マテリアル」 鳴子ハナハル ワニマガジン社
5/31 「ムサシマル短編集」 ムサシマル ワニマガジン社
5/31 「土居坂崎単行本(仮)」 土居坂崎 キルタイムコミュニケーション

▼漫画感想。モーニング、ヤンサン、ヤンジャン、週刊少年チャンピオンについては、4/17、24発売分をまとめて。

【雑誌】モーニング 5/1 No.20 講談社 B5中

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」が表紙&巻頭カラー。大阪ガンナーズの超攻撃的なサッカーがスペクタクルに描かれていて、試合序盤から燃える展開。彼らがどんな攻撃を見せてくるかワクワクさせられる。あとETUの対抗策の全貌がどんなもんなのかも早いとこ見たいですな。

 福満のぶゆき「僕の小規模な生活」。今回もモノを食ってるシーンがいい。作者が喫茶店で高いアイスを食って、「ヌルッとしてる!!」「うまい!」というナイスな感想に思わず笑ってしまった。そりゃまあ確かにヌルッとしてるだろうけれども、真っ先に出てくる感想がソレだってのが面白い感覚。

 第23回MANGA OPENで、さだやす圭賞を受賞した林晴々「ちくわ少年」が掲載。マジメ一徹で、家族のために一生懸命仕事をして生きてきたお父さんと、近所に住んでいるばあちゃんの昔の話。丸みのあるかわいい絵柄で、しみじみした気持ちにさせる人間ドラマを展開している。ほろっとさせる人情味のあるいいお話を作っていて、暖かい読後感を残してくれる佳作。林晴々は3/13 No.13にも、MANGA OPENで奨励賞を受賞した「ニンジン」が掲載されている(感想は2/28日記参照)。味のあるいい絵をしてるし、今後の活躍に期待。

【雑誌】モーニング 5/8+15 No.21+22 講談社 B5中

 弘兼憲史「専務島耕作」。島耕作が社長に就任し、連載は最終回の一つ前。記者会見とかしてるけど、外っ面の良さでは定評のある島さんだけに、さすがにもっともらしいことをおっしゃっておられる。大町さんもお祝いにかけつけてるけど、結婚とかはせず、関係はそのままである模様。それにしてもこの2人ってもう20年も愛人関係を続けてるんですなあ……となんとなくしみじみ。

【雑誌】ヤングサンデー 5/1 No.20 小学館 B5中

 清野とおるの読切「ナイス街!〜街遊びの達人ども〜」が掲載。街の中の空き地に元は何があったかということに興味を持った少年が、意外な真相を見つけ出すまでの過程を描いたギャグ漫画。奇を衒いまくる作風にはやはり独特なものがあるが、手慣れてきた分、出始めのころよりインパクトは薄れてきているかも。芸風を変えにくそうな人なんでなかなか難しいとは思いますが、なんかイッパツぶち当ててほしいもんです。

【雑誌】ヤングサンデー 5/8+15 No.21+22 小学館 B5中

 草場道輝の新連載「LOST MAN」が開始。これまで読切で掲載された作品が本連載に昇格。記憶喪失の男・マツモトが、代理人とともに世界各地を放浪し、行く先々のプロサッカーチームで助っ人として活躍していくというサッカー漫画。連載1回めはいきなりブラジルから。どうも各地で女性アシスタント的なものも登場させて、華を添えるようですな。サッカーものについてはすでに手慣れた作家さんだし、読切バージョンもまずまず面白かったので、手堅く行きそうな感じ。

 河合克敏「とめはねっ!」。大江くんがアルバイトをやることになったが、そのバイト先のそば屋は、鵠沼学園書道部・宮田さんの実家だった……という展開。ここでもラブコメの花が咲くんですかのう。大江くんはそうモテるタイプではないものの、どう進展させるのかちょっと楽しみ。宮田さんはこれまでとくに印象はなかったが、登場頻度が上がればかわいく見えてくると思われる。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/1 No.20 集英社 B5中

 前から話題になっていたPEACH-PIT「ローゼンメイデン」が、ヤングジャンプに舞台を移して復活。さすがに単純に続きとはせず、意外性のある出だしにしてきた。過去と未来が絡み合うお話になってきそうだけど、どうなりますか。とりあえず今後の展開に期待。ヤンジャンはわりとなんでも載っける雑食性の雑誌なので、「ローゼンメイデン」もそんなに違和感ないだろうなと思ってたけど、個人的には予想どおり違和感はありませんでした。

 さんりようこ「B型H系」。山田と小須田がついに初Hかー?ということで盛り上がっていた最近だったが、前号のフリで予想されていたことが……。せっかくのチャンスなんだし、いろいろチャレンジしてみていただきたいとこでしたが。まあ若いんだし今後のリベンジに期待します。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/15 No.21+22 集英社 B5中

 巻頭カラーで、新連載、作:佐木飛朗斗+画:東直輝「外天の夏」が連載開始。タダの単車オタクだった少年・天外夏が落ちこぼれの集まる学校に編入してきて、すごい美人の娘さんらと知り合って変わっていくって感じでしょうか。夏少年にはなにかしらの力が秘められてるっぽいけど、それが何かは1話の時点ではまだ分からない。佐木飛朗斗が原作だし、扉絵からするとゾクものになっていきそうな感じですがどんなもんですかのう。

 高橋陽一「キャプテン翼 GOLDEN-23 アジア激闘編」が終了。そういえばこの作品って、北京五輪じゃなくてマドリッド五輪を目指した戦いだったんだなあとか今さらながら思った。今夏にはオリンピック特別編も掲載予定とのこと。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/1 No.20 秋田書店 B5平

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。エミリーとの対決に向けて、吐夢のパーティ選びが行われる。今回は7人での団体戦。何人かは予想どおりだったが意外なメンツも。それにしても美華お嬢さまの、偉そうでいて案外扱いやすい性格は見てて面白いです。決め文句もうまい具合に決まって、おいしいところを持っていってる。

 ミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」。今回はヒツジと桜井さん、そしてヒツジママの3人が、桜井さんの誕生日を祝ってお花見に出かけるというエピソード。ドタバタやサービスシーンはしっかりやりつつ、今回はラブコメ面でもいい感じだった。ヒツジママの一言はグッドジョブといわざるを得ない。ヒツジは相変わらずフィギュアオタクなままだけど、桜井さんと一緒にいるうちに、だいぶいい男になってきたと思います。

 西条真二「鉄鍋のジャン!R 頂上作戦」。水がテーマの対決で秋山の魔術が炸裂。その勝負の行方とは別に、今回の内容で、ドレッシングを適量のミネラルウォーターで薄めると、口当たりが良くなって食べやすくなるという話があって興味深かった。今度試してみたい。というわけで忘れないようにメモしてみたのでした。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/8+15 No.21+22 秋田書店 B5平

 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」が連載15周年ということで、特別企画がいろいろ。春巻が今号の掲載作品全部のどこかに登場するという、こち亀みたいなことをやったりしている。あと面白かったのは、ほづみ★みずほ、樋田和彦、やぎさわ景一という、浜岡賢次のアシスタントあがりの人たちが、アシ時代の想い出を語った祝賀漫画を描いていること。樋田和彦はすごく久しぶりに見た感じだなあ。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。アー坊との相性が悪いということで、キャプテンの縞青海がレギュラー捕手を外されそうになっていることで、お嬢さん空が大ショック。これまでアー坊にラブラブだったお嬢さんだが、本来の兄大好きっ娘ぶりを発揮。この作品はタイトルからして「ストライプ=縞」「ブルー=青」だけど、お嬢さんが影の主役って感じですな。ところでどうでもいいことですが、今号で直木くんの成績が紹介されていて「9打数5安打」「5安打のうちわけはツーベース3 スリーベース2」で「長打率なんと10割」と書いてあるけど、これは計算間違ってるような……。長打率は「塁打(2×3+3×2=12)÷打数(9)」なんで、本当は「1.333」になるはず。重箱の隅つついちゃってすみません。

【雑誌】コミックメガストア 6月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 マイノリティ「関白宣言は射精中♥」。半ば脅迫気味にヤラれて孕まされた相手に詰め寄ったヒロインが、相手の男の返り討ちに遭い、さらにそのセックスでトロトロにされてしまうというお話。寝取り系のレイプもの的な作品なんだけど、途中からどんどん甘ったるくなっていくのがマイノリティらしいところ。濃いめにエロもやって、甘甘デレデレになっていく様子が快感。相変わらず面白い。

 土居坂崎「おとなりインタレスティング」。猫を追いかけて男子シャワー室に入ってきて、主人公少年のちんこを目撃してしまった、クラスで席が隣の女子。ぽやーんとした天然ボケで、好奇心たっぷりなヒロインさんが、逢瀬を重ねるうちに主人公少年に惹かれていく様子がラブコメ的によろしい感じ。ラストのこっぱずかしいノリもええ塩梅でした。土居坂崎は、ガッツリエロいのから萌え系、ギャグ系までいろいろこなしますね。

 みつや「モモサプリ」。塾の女性講師が、彼女のことが気になって勉強が手につかない男子を、その身体でもって元気づける……というお話。つやつやたっぷりした巨乳はボリューム感があり、そんな乳の持ち主であるモモ先生が、子供とは思えない巨根の持ち主である生徒にがっつんがっつん突かれる様子がなかなかエロっちかった。快感でメロメロになっちゃってる様子にそそられました。

 みなすきぽぷり「せんせいきもい」は、家庭教師の先生の弱みを握って彼に恥ずかしい行為をしていた女の子が、逆襲されてしまうという内容。相変わらずとても丁寧に描き込まれたロリ絵が魅力的。今回はエロシーンもけっこう激しい。あと何より、小生意気な少女さんがキュートなのがいいですね。カットジーンズがエロっちい感じ。

 奴隷ジャッキー「ほそむっちーの受難」。両足をぴっちりくっつけても、太股と太股の間に隙間の相手しまう、細いけれどもむっちりした足の魅力を全面に押し出した作品。当然プレイは素股が中心になるが、それだけでは終わらない。奴隷ジャッキーらしいテンションの高い作品で、ぶっ飛んだノリが楽しい。あと初登場の、いたち「トビウオ」はちょっとラフな感じのある描線に独特の味があって気になった。線はバサバサした感じだけど、キャラ造形にはみずみずしさがあります。

【雑誌】COMIC RIN 5月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 猫玄「絶対言わない」。卒業式後の教室で少女が、自分の持ち物を盗んでオナニーに使っていた教師を縛っていじめちゃうが……というお話。彼女のそのイジワルは、その先生に対する気持ちの裏返しだったりもするわけだが、快活そうだけどけっこうエッチでツンデレでもある姿がなかなか好ましい。しっかりかわいい。

 水島空彦「いつでも」。無口でクールっぽい女の子が、彼氏がほかの女子と仲良くしてみるのを見てヤキモチ焼いてる様子がなかなかかわいい。クーデレというヤツですな。ほのかな甘さも心地よいです。

 緋乃ひの「アイマイ137cmおかわり」。ものすごく背がちっちゃいけど態度は偉そうな彼女と、その彼氏のラブラブ学校エッチストーリー。△型のクチ(口と書くとまぎらわしいのでカタカナ表記)のちまちましたヒロインさんがなかなかかわいい。ところでぐるぐる目については「どこでもいっしょ」あたりが起原だろうといわれてますが、この△型のクチが萌え記号的に使われだしたのはいつごろなんですかのう。ぐるぐる目と違って、クチを△型に書くこと自体はそれまでにも存在した漫画表現ではあるので、いつごろから増えてきたのかっていうのが分かりづらいんですよね。


4/16(水)……身軋む

▼ようやく「オスマン」の更新を再開しました。とりあえずはまず日記3か月分からのピックアップ。この後、ぼちぼち残り分もアップしていく予定です。

【雑誌】ビジネスジャンプ 5/7 No.10 集英社 B5中

 この号から発売日が毎月第1・第3月曜日に変更。でもまあ誌面的にはいつものビジネスジャンプという感じ。まあこの脂っこさはほかの雑誌にはない独特なもんなので、発売日等が変わろうが、テイストは変わらないでいてくれたほうがうれしいかな。それもまた雑誌の個性なんで。

 作:天王寺大+画:井上紀良の新連載「大空者」が連載開始。IT企業をたった4年で時価総額1兆円にまでのしあがて、敏腕IT社長の大空翔の痛快人生を描いていくビジネス漫画といったところ。初回はギャルの社会的地位向上を目指す、就職希望の女の子を社長が勇気づけるといった感じの内容。最初っから社長がスーパーマンすぎる気はするけどどんなもんでしょうな。

 作:永井豪+画:有賀照人「ハレンチ学園〜ザ・カンパニー〜」は最終回。最後は、大人に成長した山岸くんと十兵衛のラブストーリーを結実させて締めくくった。まあ有賀照人だけに、サービスシーンはかなりデスな感じではあったけど、お話としては案外ちゃんとまとまったような気もしなくはない。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/30 No.20 小学館 B5平

 藤田和日郎「月光条例」は「3匹のこぶた」編が決着。主人公であるひねくれ者の月光が、心根のまっすぐなところ、優しいところを見せていて気持ちよく読める。月光の主人公としての印象度は、まだ正直なところ弱い気はするんだけど(もちろん藤田和日郎作品にしては、ってことですが)、幼なじみ娘のエンゲキブとのコンビ、信頼関係は心地よい。現時点でも面白くはあるけど、よりカリスマ性のあるキャラが出てくるともっとグッとくるだろうなと思います。

 クリスタルな洋介「オニデレ」。ラブコメ度が高くて面白い。今回はヘタレな主人公と隠れてつきあってるスケバンのサヤが、名前を呼び捨てで呼んでもらいたいと言い出し、そのせいで主人公もいろいろトラブルに巻き込まれる。ツン時にしろデレ時にしろ、サヤのリアクションがダイナミックなのが楽しい。とくに今回のデレ時の表情とかは思わずニヤニヤしちゃいました。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/7+14 No.21+22 小学館 B5平

 安西信行野坂尚史「MiXiM♀12」が連載開始。ペンネームがなんかヘンな感じになってるけど、これで正しいらしい。合作ってことなんでしょうか。お話のほうは、ケンカは強いけどバカな祭壱松、頭がすごく良くてかわいいけど泣き虫な春野小梅、クールな容姿だがオタクな参宮橋竹蔵という、破壊的にモテない3人組と、空から降ってきた少女が出会うところからお話開始。1話めの段階ではまだどんな内容になっていくかは全然分からない。ラブコメ+ファンタジーバトル系アクションって感じでしょうか。

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。生死を賭けたギャンブル勝負の中で、マサルがさらなる成長を遂げていっていて面白い。子供ながら、大人3人の精神状態を操り、自分の望む方向に向けていく腹黒さがたまらない。最初のうちからけっこう腹黒さの片鱗は見せていたマサルだが、ここにきてさらに凄みが増してきた。面白いです。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/30 No.20 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」は、生徒会のみんなで遊園地に行くというお話。遊園地で遊ぶ一方で、品川に誕生日プレゼントを渡そうと悪戦苦闘している凜風の恋する乙女っぷりが微笑ましくてよろしい。彼女と共同戦線を張っている千葉とのコンビネーションもなかなか。まあ最終的にはこの二人がくっつきそうな感じではありますが。千葉はマコト狙いだけど、マコトはちょっとキャラが薄めなんですよね。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/7+14 No.21+22 講談社 B5平

 はっとりみつる「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」が最終回。みんなで海で泳いでおしまいという爽やかな締めくくり方で気持ち良かった。恋愛方面でも、かなめとあむろがいい方向に向かっていたし、それまでの間にまあやのほうもカタがついていて、後腐れなくスッキリ。まあ静岡さんはずっと恋愛とは別のベクトルで動いていたので、あれはあれで良し。かなめが水に対する恐怖を克服していくという後半の盛り上がりイベントもあり、部活漫画としても爽やか。賑やかで楽しい漫画だったと思います。

 石垣ゆうき「MMR」が復活。キバヤシらは引退したが、編集部員ヨネムラを中心に新生MMRが再始動。今回は「人類最期の日」が4年後に迫っているとぶち上げて、その真実を暴くんだそうです。さすがに石垣ゆうきが描いているだけあって、煽り方が手慣れてて、「ああMMRだなあ」とか思った。ただ、まだ前MMRと比べるとキャラ立ちは甘い。とくに「なんだってー!」要員にもう少しインパクトが欲しいところではある。


4/15(火)……靴ひもを思ひつく

▼たいへん遅れてしまいましたが(これを書いているのは2008/05/06夜)、OHP月極アンケートのテーマを入れ替えます。5月分のテーマは「期待の新鋭作家2008」です。「どこらへんを新鋭に含めるか」については、「ここ1〜2年くらいで出てきた人」を基準に考えてください。同様のテーマは2004年6月2006年5月にもやりましたが、2年経ったのでそろそろまたやろうかなと。

 「新人だと思ったら他誌でデビュー済みだった」なんてことは多々あり、「どこまでを新鋭に含めるか」といったところは難しいんですが、そこらへんはわりとアバウトにやっちゃっていただいてOKです。もし「その人は他誌でデビュー済みでしたよ」みたいな情報がありましたら、コメント欄にその旨記入していただければ、それもまた役立つ情報となるのではないかと思います。それでは5月分もよろしくお願いします。

▼2008年4月分「最終回が心に残る漫画」については締め切りました。これは久々に総投票数が200を超え、なかなか盛況でした。1位になったのは藤田和日郎「うしおととら」でしたが得票数は10票。何せ対象となる作品数が多いということで、票が分散した感があります。3位に田沼雄一郎「SEASON」、ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」と、エロ漫画が二つ入ったのはちょっと印象的でした。最初は「あしたのジョー」や「デビルマン」といった古典的名作がもっと上に来るかなと思ってたんですが、比較的近作のほうが多かったですね。そのうち「初回が心に残る漫画」もやってみてもいいかな……。

【雑誌】ヤングチャンピオン烈 5/25 VOL.12 秋田書店 B5中 [Amzn]

 新連載、いとうえい「お気に召すままご主人サマ」が開始。平凡な主人公の元に、調子っぱずれなメイドさんが押しかけてきて、お仕えさせろと迫ってくる。顔はかわいいんだけど、いきなりドアを蹴破ってくるほど乱暴で、家事の才能もからっきしなメイドさんがオバカっぽくてけっこう楽しい。ドタバタしてていいんじゃないでしょうか。

 東鉄神「秘密の時間は恋の色」。教室でのオナニーがきっかけとなって、付き合い始めた平凡な主人公と学園のアイドル的女子。周囲は不釣り合いだというが、ちょっぴり変態チックな性癖が二人を結びつけて……というお話。エロいシーンはふんだんに盛り込みつつ、甘ったるいラブコメもやってて楽しめる。

 吉田ふらわ「ぬうぬう倶楽部」。手芸部唯一の男子ながら、裁縫の腕は一番な主人公が、女の子に囲まれてモテモテ〜というお話。主人公にトキめいてる女子部員たちが、彼を誘惑しようと迫ってくる様子にウハウハ感があって楽しい。ストーリー的にも明るくて、気楽に読める。

 掘骨砕三「白い竜」。食用として恐竜を飼っている飼育係のねーちゃんと、その恐竜のもも肉まるまる1本を使ったハム作りをがんばる職人ねーちゃんのほのぼのした日常漫画。といっても恐竜でハムを作っちゃおうという時点で相当変わった漫画なんだけど。ディティール細かに描かれた物語は、妙に落ち着いた調子で味がある。

【雑誌】漫画アクション 5/6 No.9 双葉社 B5中

 国友やすゆき「新・幸せの時間」。義父母が旅行で留守中の家で、小夜子と二人っきりでヤリまくっていた良介だが、体調不良のため途中で帰ってきた義父がそこにやってきて…という展開でずっと引っ張っている。やろうと思えば1回もかからないであろうネタを、何回にも引き伸ばしたのは、やっぱりセックスシーンのボリュームを増やしたかったんでしょうなあ。国友先生らしいです。

 武富健治「鈴木先生」。お祭の晩の鈴木先生と彼女のやりとりが、クラスに大きな波紋を投げかける。鈴木先生の彼女の存在にショックを受けた中村さんと小川さんが、何か告白でもするのかなあとか思っていたけど、影響はその2人では済まず、オオゴトになりつつあり。それにしても「クラス討議」っていう言葉にはなんだか妙な迫力がありますね。

 伊図透の読切「靴ひもを結べ!」は、大人びた小学生女子が主人公の物語。彼女は男子をみんな下品でバカだと思っていたが、放課後のとある出来事をきっかけに、男子にも心を開くようになる。萌えるとか売れセンという感じではないけれども、丁寧に描き込まれた作画には好感が持てたし、お話のほうも爽やかで暖かみがあって読後感は良好。2/19 No.4に掲載された、鉄工に魅せられた美大の女子のお話である「STEEL BLUE」も面白かったし、なかなか良いモノを持った人だと思います。

【雑誌】コミックチャージ 5/6 No.9 角川書店 B5中 [Amzn]

 作:大塚英志+画:森美夏「八雲百怪」の新シリーズが開始。サブタイトルは「乙姫と鴎外」ということで、森鴎外が「舞姫」のエリスをイタコによって呼び出すが、その霊をきちんと帰すことができまま、イタコの婆が急死してしまい……というところから始まる。「舞姫」がらみの物語は、けっこう読みごたえがありそうなんで期待。

【雑誌】漫画サンデー 4/29 No.17 実業之日本社 B5中

 4/15発売分。倉科遼漫画がまた一つ。原作:倉科遼+作画:成田マナブ「蒼空」が連載開始。原案は蒼井そらのラブストーリーだそうな。パチンコ狂いの彼に貢ぐため、パチンコ屋でせっせと働く女の子・桃井栞が主人公。初回は彼女が、初恋の相手でもある彼氏のいうがままに金を貢ぎ続ける様子が描かれていて、まだ何を主ネタにするかはよく分からない。なお本作は隔週連載で、映像化企画も同時スタートしているとのこと。

【雑誌】漫画サンデー 5/6 No.18 実業之日本社 B5中

 4/22発売分。隔週新連載、木村栄志「駿の風〜天馬かける島〜」が開始。かつてはリゾート地として賑わったが、今では完全にさびれてしまった島が、馬を購入して競馬で村おこしをしようとするが……というお話。劇画調の絵柄をコミカルに味付けした、とてもこなれた絵柄で完成された作風ではあるが、今これがウケるかというとちょい難しいかなとも思う。でもまあ漫画サンデーだから、多少オヤジくさくても大丈夫かな。

【雑誌】漫画サンデー 5/13+20 No.19 実業之日本社 B5中

 4/28発売分。長尾朋寿「ホロ酔い酒房」(原案:野上ヒロノブ)。今回は作者の人たちが、武蔵境に実在する「二合半」を訪れるというお話だったが、どうもすでに閉店しちゃっていた模様。まあ自分は行ったことない店だし、実在するってことも知らなかったんだけど、これはちょっと寂しい話ではありますな。


4/14(月)……ほっかほっか幇間

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5月増刊号 5/12 小学館 B5中

 深見琳子「沈夫人の料理店」が巻頭カラー。近代に舞台が変わっても、沈夫人の李三イジメはやっぱり面白い。イジメられればイジメられるほどうまそうな料理を作る李三の様子がユーモラスで楽しいし、料理のほうも相変わらずおいしそう。レシピ自体は実際に作るさいにはさほど参考にならなそうではあるけれど、沈夫人の食べてる顔がいいんですよね。実においしそう。

 新連載、作:上季一郎+画:青木朋「幇間探偵しゃろく」。昭和初期の向島を舞台に繰り広げられる和風探偵譚といった感じ。とあるお金持ちの若旦那にたかってる幇間(太鼓持ちという奴ですな)の舎六が、いい加減なようで実はキレる頭で事件を解決していくといったストーリー。人殺しを推理するとかではなく、今回は茶道のお師匠さんが残した、跡継ぎを誰にするかというメッセージを舎六が読み解くといった内容。青木朋の作画はこざっぱりしてて品が良く、お話のほうもまずまず読ませる。落ち着いた雰囲気できっちり読ませてくれそうな作品。

 村上かつら「ラッキー」は最終回。旧式のロボ犬・ラッキーが、小学生の祐太と、亡き母の想い出をつなぐというヒューマンドラマ。機能は低いけど愛らしいラッキーの振る舞いが健気で、けっこう泣かせる良いお話だった。単行本にもちゃんとまとまるそうで、5月30日発売とのこと。これはけっこうオススメです。

【雑誌】ヤングキング 5/5 No.9 少年画報社 B5中

【雑誌】ヤングキング 5/19 No.10 少年画報社 B5中

 No.9が4/14発売、No.10が4/28発売分です。

 No.9の藤堂裕「由良COLORS」は、主人公たちが子供のころから知ってる先頭の看板娘、タマコがけっこう良かった。ガサツだけど優しいところもあって、なかなかいい娘さんだと思います。

 森見明日「よみがえりんね♪」はNo.10で最終回。No.9でついに主人公(もろと・あきら)が初体験。相手の女性は、幼なじみである朋が変装した姿だったのだが……というところから、ドタバタしたままラストへ。ハーレム状態はそのまんま、というかさらに拍車がかかっておしまい。ヒロインさんたちがそれぞれかわいく、ラブコメ成分も豊富。「ラブ・ぽっ!」のほうがまとまりは良かったとは思うけれども、こっちのほうがエロ度は強めだったかな。まずまず楽しみました。

 No.10では作:山口かつみ+画:谷嶋イサオ「=イッパツ」が連載開始。架空のプロ野球チームのお話で、プロ入りほやほやの高卒ルーキーが、スケベだけど豪快で理想も高い真のプロフェッショナルである先輩野手の活躍を目撃していくって感じのプロ野球漫画。山口かつみは最近は福岡ソフトバンクホークスの実録漫画や、子供向けの「ホークスキッズ」といった作品を描いているけど、今度は原作を担当することに、谷嶋イサオの絵は山口かつみによく似ており、アシスタントやってた(orやってる)人だろうなーという感じ。山口かつみは安定した人だし、きっちり連載を進めていきそう。

【雑誌】Jossie No.1 白泉社 B5平

 シルキーの5月号増刊。エロシーンもありの女性漫画誌といった感じ。執筆陣は、羽田伊吹、宮川匡代、野口ともこ、花津ハナヨ、芦珈のぞむ、やまがたさとみ、芹沢由紀子、天堂きりん、林久美子、藤堂はくる、ももせたまみ、宇宙田かい、平井摩利、宇野亜由美。

 自分はこの手の作家層の人が描いている雑誌については全然詳しくないのでよく分からんですが、わりと軽めにスルッと読めちゃう作品が多いかなーという印象。その分、個人的にはあまりお話を読み込もうっていう感じにはならず。掲載作品の中で気になったのは、年下彼氏とつきあっているめがねっ娘OLがわりとかわい芦珈のぞむ「Cutie×Beast」、すっきりした絵柄で切なめなラブストーリーをつづる天堂きりん「キミニ恋シナイ」あたり。

 サクサク読める点はいいけど、雑誌全体としてのインパクトはあまり強くなく、わりと淡々と読んでしまった。次号以降でもう少しパンチの効いた作品を投入してくれればなあ……っといったとこでしょうか。

【雑誌】快楽天BEAST 5月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 いかにも快楽天系な絵柄の乃良紳二が再登場。「ラッキーアイテム」。朝の占いの影響か、なかなかトイレに入れず、物陰でおしっこしてしまった女の子が、それを目撃していたおっさんにエッチなことをされるというお話。口では嫌がりつつも、あれよあれよと流されていっちゃうヒロインさんがエロっちくてなかなか良かった。おっぱいとかがピチピチしててボリューム感もあってエロいです。

 杏二「春恋」。ヘアサロンのおねえさんとのラブラブエッチストーリー。かわいい絵柄で初々しいエッチをしてて、なかなかええ感じでした。主人公のあんちゃんに夢中な、ヘアサロンのおねーさんが、快活でかわいくていいです。さめだ小判「桃園学園男子寮にようこそ!」。管理人さんの昔の男の影がちらついてちょっと不穏な気配。主人公ケンイチのことを好いている委員長さんもいることだし、恋愛方面では今後混戦になっていくかな。

 藤ます「チープトリック」。双子の兄のふりをして、弟さんが兄の恋人とエッチしちゃうというお話。つやつやした肌の質感や、ねっとりとした舌使いの描写などがエロっちくてなかなか実用的な一本。乳首の描き方とかも良い。これまで藤ますは自分的にはさほどピンと来てなかったんだけど、コミックメガストアH 5月号掲載の「Face and llama action」あたりから、実用面でかなりグッと来るようになってきた。伸びてきてるなと思います。


4/13(日)……いつ隠さん

▼OHP月極アンケートの5月分ですが、バタバタしてるのでもうちょっとお待ちください。5/6朝から始められるようにしたいと思います。

【単行本】「一角散」 津野裕子 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 2000年発売の「鱗粉薬」以来となる、すっごく久々の単行本。アックスで発売が告知されるまで、出るとはまったく思っていなかっただけにすごくうれしい。津野裕子の過去作品については本田健の植民地にリストがあるので、そちらを参照のこと。

 この人の作品の場合、なかなか「こういう話」と説明するのが難しい。とくに自分は 、こういった美しい作品を説明できるような細やかな文章力がないので、津野裕子作品の魅力を他人に伝えられる自信は全然ないです。ただ、この人の作品を語るキーワードとして、「夢」という言葉は挙げておきたいと思います。「夢や希望」の夢ではなくて、眠ってみる夢のような、つかもうとするとするりと逃げていってしまいそうな物語を、とてもクリアな形ですくいとったお話は、ほかにはない独特の美しさです。

 収録されている作品では「救命一角散」が最も新しいけど、絵の美しさやお話の完成度からいうと、そのほかの旧作のほうが凜としたものがあって、より「これが津野裕子だ」っていう素敵さが味わえると思う。普通の物語やキャラの魅力でぐいぐい引っ張るといった作品が読みたいといった人には向かないだろうけど、夢と現実の入り混じるような独特の感覚を味わってみたい人はぜひ。

【収録作品】「救命一角散」「turbidity」「トランス・トランス」「こうもり」「エリクシル」「双生児の窓」「流感の流行り」「ねこのゆくえ」「百日紅白」「乙女椿」「ジェミニ 前編」「ジェミニ 後編」「ダム、スワン」「セルピエンテ・ドルミエンテ」「ゆーたん」

【単行本】「地球の生活」 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 同人誌やホームページなどを中心に掲載された短編たちを収録した作品集。自分が同人誌即売会に通うようになり、山川直人作品にぐんぐん引き込まれるきっかけとなった作品が多く収録されていて、たいへん面白かった。作者本人が「おそらく今はもう描けない漫画」と後書きで語っていて、「いやいやまだ描けるでしょう」と読者的には思ってしまうけれども、確かに瑞々しい感触があって素晴らしいです。

 収録作品の中で、自分が一番好きなのは「タヌキ」。ある日突然妹がタヌキになってしまった……というところから始まる物語で、兄の妹を想う心がひしひしと伝わってくるし、ファンタジー心を感じさせる夜空の描写とかにいたく感動させられた。絵的には、輪郭線をあえて描かず、山川直人らしいカケアミをテクスチャとして絵を構成した「ほら穴」なんかはたいへんカッコイイ。

 あと、アントン・チェーホフの原作を下敷きに、漫画を描くことに魅入られた男の悲運な生と死を描いた「たちくらみ」もなかなかズンと来るものがあった。山川直人という人のストイックな創作活動を、同人誌即売会という場で見ていた人にとっては、なおさら心に響くものがあると思う。どの作品も、改めて読んでみても面白い。古くは1989年初出作品もあるけれども、時代に左右されない確かなものがこの人の作品にはある。

【収録作品】「地球の生活」「この手に限るよ」「ウルトラマリン」「口笛」「タヌキ」「火星人ヨシオ」「カメラの話」「手品師」「たちくらみ」「乙女の祈り」「ほら穴」「おしゃべりなカラス」「恋愛日記」

【単行本】「コーヒーもう一杯」4巻 山川直人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 こちらもしみじみと面白いです。いろいろな人間模様を、ときに暖かく、ときに切なく、ときにほろ苦く展開していて、1本1本の完成度がとても高い。今回の収録作品の中では、ネコ探しの世界では一流の探偵を主人公にした、ユーモラスなハードボイルド「探偵物語」が個人的にはお気に入り。あと引きこもりの友人が自分の部屋を喫茶店風にしていて、主人公がそこにすっかりハマってしまうという「喫茶ヨシオ」もなかなか楽しかった。そのほかの作品も味わい深いし、それこそコーヒーを飲んだときのように、ほうっと一息つきたくなるような作品に仕上がってます。

【単行本】「夜長姫と耳男」 近藤ようこ 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 坂口安吾の小説を近藤ようこが漫画化。原作はすみません、未読なんですが、たいへん面白かった。主人公は「夜長の長者」に雇われた仏師の青年・耳男。長者の娘である夜長姫の笑顔に魂を奪われてしまった耳男は、彼女への言い知れぬ感情を示すため、呪いの像を彫り上げる。しかし、底知れぬ、邪気のない冷酷さを秘めた夜長姫はその像をいたく気に入り、耳男にさらなる呪いを求めていく。

 この作品では夜長姫の存在感がやはり素晴らしいです。村人が悪病でたおれていくさまを嬉々として家人に語る、屈託のない笑顔にはゾクゾクするような力がある。別に悪意があるというわけではなく、純粋に死を楽しんでいる様子は、清らかでさえある。近藤ようこの楚々とした絵柄が、この作品の内容にまたすごく合っていて、言い知れぬ不気味な雰囲気を醸し出している。これは原作のほうも読んでみたくなります。

【単行本】「冬の動物園」 谷口ジロー 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 昭和40年代に上京してきて、漫画家の仕事場に入った青年を主人公とした青春物語。主人公の浜口は、京都の織物問屋に就職したが、その店のお嬢さんの駆け落ちを手引きしたと疑われて会社にいづらくなり上京。そのまま学生時代のツテをたどって、とある漫画家の職場でアシスタントの仕事をしていくことになる。

 帯には「”マンガ家”谷口ジローが自らの青春の日々と重ねあわせて描く自伝風・愛の連作」とあるとおり、浜口青年のモデルはどうやら作者自身であるらしい。浜口が漫画の世界に足を踏み入れた経緯、先輩アシスタントや同僚たちとのやりとりなどが細かく描かれており、なかなか興味深く読める。病床の少女との恋愛といったエピソードもあって、現実そのまんまなのかといわれると微妙に思えるけれども、当時の時代の空気などは鮮やかに写し込まれている。

 現在では巨匠といえる谷口ジローが、改めて青臭い青春ストーリーを展開しているのは新鮮だし、浜口青年と病気の少女・茉莉の恋愛模様もピュアなものがあって心華やぐものがあった。しみじみと面白いです。

【単行本】「巷説百物語」1巻 作:京極夏彦+画:日高建男 リイド社 B6 [bk1][Amzn]

 京極夏彦原作の小説を漫画化した作品。時は江戸時代、妖怪百物語に乗せた物語と、ミステリ的なストーリーをからませてお話を展開していくという作品。お話の語り手的な役割を担うのが、妖怪物語の収集を趣味としている百介で、彼がひょんなことから意気投合した悪党の又市らによる仕掛けを目撃していく。

 日高建男はコミックバンチで連載していた「満腹ボクサー徳川」で知った作家さんだが、力量は確かなものがある。この作品も、作画、構成ともにしっかりしていて面白かった。元が小説ということもあり、ちょっと文字が多めに感じられたけれども、これは謎解き系の作品なんで仕方ないところ。読ませる作品に仕上がってて良い。個人的には、バンチがこの人あたりを主力として育てきれなかったのは惜しいなあとか、今だに思ってます。

【単行本】「眠れる惑星」4巻 陽気婢 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。人類がみんな眠りにおちてしまった世界で、ただ一人目覚めた少年、永井淳平。淳平はセックスすることで女性たちを覚醒させることができ、彼を中心としたハーレム的社会が形成されていくのだが……という感じで始まったこの物語。淳平に目覚めさせられた女性たちの思惑、淳平に対して芽生えた恋愛感情などがからみあって、なかなか面白く展開していた。

 最終巻のあたりは事態がゆるやかに、かつ大きく動いたこともあって、ちょっと説明的な部分が多くなって多少読みづらかったかな? でも切なさの残るラストは意外性もあったし、面白い作品だったと思う。エッチで甘くて爽やかで、かつSF風味もある……という感じで、いかにも陽気婢らしい作品だった。やっぱりいいモン持ってる作家さんだと思いますね。


4/12(土)……危機!蚯蚓館

OHP月極アンケートの2008年4月分「最終回が心に残る漫画」は5月2日いっぱいで締切です。残り時間はちょっとですが、最後までよろしくお願いします。投票でなく「この作品についてなんか語りたい」とかいうのがありましたら、コメント入れていただければと思います。今回は久しぶりに総投票数が200票超えまして、なかなかいい感じです。

▼アニメ新番組チェック。これでいちおうチェックを予定していた作品は一通り見ました。

 「二十面相の娘」。小原愼司作品のアニメ化だけど、塗りがベタッとした感じで、あんまり小原愼司っぽくはないですね。あの絵柄によってもたらされる軽妙さみたいなのも、アニメ版では出ていない感じ。まあ原作との差異は差し引いても、出来は今一つといった印象。今のところなんとなく継続はしてますが、どうしてもって感じではない。元々アニメにはしづらい絵柄なんで、もう少し思いきった絵作りにしちゃったほうが良かったかも。あとフジテレビは相変わらず深夜アニメの扱いが悪くて、放映時間帯がしょっちゅう変わるのは困りモノ。余裕があったら継続するかも?という感じ。

 「狂乱家族日記」。かわいい絵柄で賑やかな出だし。閻禍と呼ばれる、強大な力を持つ魔物の遺伝子を受け継いでいると思しき面々が、「ほのぼの家族計画」と題して一つ屋根の下に集められ、家族として暮らしていくというドタバタコメディ。カワイイキャラを賑やかに動かしている点はけっこう楽しい。ちょっとギャグとかに小賢しげなところもあり、自分的にはすごくツボって感じではないんですが、わりと楽しく見ていけそうな感じではある。とりあえず視聴継続。

【雑誌】コミックビーム 5月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 竹谷州史の新連載「まっしろけ」が開始。両親を小包爆弾によって失ったばかりの少年・深見真白の生きざまを描いていく青春ストーリーってとこかな。彼は何事にもとらわれることのない、ものすごく執着の少ない人間。冷酷ではないが、目の前で両親を失ったというのに、その犯人をもまったく恨むことなく、きれいさっぱり前を向いていっちゃうような性格。そんな彼がどのように生きていくのか……という物語。主人公の性格は、ものすごく器が大きいように見えるが、個人として好きになれるかどうかっていうと人それぞれ、判断が分かれそう。実際、両親の死に対するスタンスは、薄情といわれても仕方ないところだし。何はともあれ印象的なキャラ、そして出だしではある。ここからどのようにお話を進めていくのか、楽しみにしてます。

 宮田紘次の新連載「ききみみ図鑑」もなかなか良い滑り出しを見せた。「音にまつわる小編連作」とのことで、オムニバス形式になる模様。初回は、音を視覚的なイメージとしてとらえることができる、要するに「音が見える」少年のエピソード。彼はその体質を気味悪がられてきたことで、他人にはそれを内緒にしていたが、素晴らしいイメージの音を奏でる軽音部の先輩女子に出会って一気に彼女に惹かれてしまう。ペンのタッチはまだ素朴な感じだけど、キャラの造形については魅力的。とくに先輩女子のイタズラっ気にあふれたそばかす顔は、イキイキした魅力があると思う。あと音がヴィジュアルとして吹き脱してくるシーンも、ファンタスティックで爽快感があった。連載を通じてどんどん伸びていってほしい。

 志村貴子「放浪息子」。修一くんが思いっ切り女装してあんなちゃんとデート。メガネまでかけちゃったりして、今回もヤバいかわいさ。図書委員が似合いそうなめがねっ娘ぶりを発揮している。あと今回のヒキについては修羅場を予感させたりもして、かなり先が気になる状態。相変わらず目が離せませんな。

 タイム涼介「アベックパンチ」。ヒラマサとコルビーナのデビュー試合は、力強くてかっこ良かった。この二人の可能性を十分に見せつけてくれたと思う。一本気なヒラマサの言葉が気持ちいいし、無言ながらだんだん彼に信頼を寄せるようになってきたコルビーナの態度にも好ましいものがある。あとヒラマサ・イサキの青春ストーリーとしても、疾走感があって爽快。ただこの状態が長く続くかは難しい情勢か。何はともあれ面白いです。

 前谷至竜の読切「ヒトリちゃん」は、部屋にこもって物語を作っている女の子が、隣の家に住むちょっとヘンな少年・モリナくんに、自分の作ったキャラの名前で接触し、彼に常識を教えようとするが……。多少泥くさめな絵柄だが、ファンタジー心のあるお話を展開していて、なかなか個性的な作風。ただお話自体はいくぶん分かりづらいか。良いものは持っていそうな人だが、絵で魅了するというタイプではなさげなんで、読ませる力がもう一段欲しい。

【雑誌】ネムキ 5月号 朝日新聞社 A5平 [Amzn]

 オガツカヅオ「カゴメ文書」。今回は「りんたとさじ余話」という形で、さじは出てこず、りんただけで番外編8P。団地の屋上から小動物が投げ殺される事件にりんたが迫る。ページ数は少ないけど、けっこうゾッとするビターなお話に仕上がっている。諸星大二郎「栞と紙魚子」。今回の稲荷神社の宝物盗難事件の話は一件落着。しょうもないオチだったが、ひょうひょうとくだらなくてやはり味がある。なお最新単行本は6月7日発売予定とのこと。

 岩岡ヒサエ「だま男さん」は、大学に通うため祖母の家に下宿している女子大生と、自分以外には見えない「だま男さん」という幽霊らしき存在の物語。彼は不思議な力を持っていて、どうやらおばあちゃんと関係のある存在らしい。肉体は滅びてもなお残る、人間の心をしみじみと描いていて読ませる。最近はけっこうあちこちで見かける岩岡ヒサエだけど、多作してもクオリティが落ちてなくて感心させられる。

【雑誌】別冊マーガレット 集英社 B5平 [Amzn]

 今月号はページ数が620。これは別マ史上最厚なんだそうで。椎名軽穂「君に届け」は新年度が開始。貞子の友達連中は、先生のはからいもあって、またしても皆同じクラスに。しかし風早は、バレンタイン・デーに貞子がチョコを渡せなかったことを引きずったまま。さらにライバルっぽい男も現れて、恋愛方面では異状ありといったところ。ライバルの存在は、恋愛的にはむしろ活性剤になるかもしれませんがどうなりますかねー。

 中原アヤ「ナナコロビン」。順調に面白い。姉のかけおち相手である春樹のことが好きだった主人公・菜子が、その想いに決着をつけるというエピソード。失恋話をポジティブに、爽やかに描いていてよかった。また春樹の弟で、現在菜子の家に住んでいる小夏のアシストもいい具合だった。これで今後はきれいサッパリ、菜子と小夏のラブコメ話を展開していけそう。二人ともイキの良い若者たちなので、これから先も楽しみ。

 河原和音「高校デビュー」も面白いです。ヨウが東京の大学に行きたいと思うようになって、晴菜も覚悟を決める。そこに至るまでの彼女の突っ走りっぷりはユーモラスだが、乙女心にもあふれている。これからは遠距離恋愛になるっぽいけど、この娘さんならちゃんと道を切り開くに違いない……などと年寄りくさい想いが去来しました。

 読切、片山あやか「Star man」。けっこう面白かった。ある日突然、ヒロインであるユキコの家の、弟の部屋に宇宙船が激突。そこから出てきた宇宙人、マ・メオがユキコの生活を引っかき回していくというお話。マ・メオのマイペースな振る舞いがユーモラスだし、なんといってもラストの1コマがインパクトあって良かった。このラストのコマがなければだいぶ評価が変わってたと思うけど、こういう勢いは大事にしてほしい。なおこの作品は、「金のティアラ大賞」第1回受賞作品とのこと。

【雑誌】comic天魔 5月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 巻頭カラーは瓦屋A太「〜楓〜 無双忍法帖」。エロエロくノ一もので、抜け忍となったフタナリくノ一と、その親友だったくノ一頭領・楓が激しくからみ合うというもの。くノ一たちのたっぷんたっぷんやらかそうな肉体がねっちょりエロかった。飛び出した乳首やひしゃげた乳の形、それを駆使したパイズリなんぞが気持ち良さそうでええ感じでござった。

 浅草寺きのと「金髪さんいらしゃい」前編。父親の再婚で主人公が、ご近所に住んでいた金髪母娘と家族になって……というお話。前編ではお母さんのほうとエッチなので、後編は娘のほうかな。なかなか金髪ママンがエッチで良かった。たまりまくっている若者である主人公に、何度も突かれてメロメロになっていく様子がエロっちい。ただ浅草寺きのとについては、ちんこの形がもう少しエロければなあといつも思う。

 はがねま「うららか春乃」。高校生男女が一緒に試験勉強しているうちにエッチに突入という、わりとオーソドックスなラブラブエッチ漫画。明るい絵柄だが、個人的に好みなパイズリシーンとかもでてきて、実用面でけっこういい感じだった。あまゆみ「シ福の日−二日目−」は、彼氏と結ばれたツンデレ娘さんが、すごく幸せそうにエッチしている様子がかわいくて良かったです。

 柚木’N「ファインド・アウト」。片想い相手には彼氏がすでにいて、彼女をほかの男に抱かせたりするような悪い奴だったのだが、それえを見かねた主人公が彼氏にかけ合い……というお話。途中まではほろ苦いけれども、二人の新たな関係が始まっていく様子は暖かなモノがあって良かった。あと七総十雨「唄って☆Graduatin」は、高校を卒業して東京に行ってしまう主人公が、彼女と名残を惜しむようにエッチに耽る。エッチ大好きなヒロインさんの彼氏への想いが伝わってきて、なかなか良い雰囲気の作品だった。


4/11(金)……アルフー森の中

▼アニマルとスペリオールは、それぞれ4/11、25発売分のものです。

【雑誌】ヤングアニマル 4/25 No.8 白泉社 B5中

 克・亜樹「ふたりエッチ」が最近面白い。さんざっぱらエッチしまくってテクも上達してきた真だが、淫乱化の進む優良さんは、テクニックよりもより激しいエッチを求めるようになってきた。ソフトSMとかも試してみたが、火に油を注いだ感じで、優良さんの欲求は強まるばかり。真は彼女の欲求に応えることができるのか? スワッピングとかはさすがにこの作品の性質からいってなさそうなので、アナルあたりに挑戦するのも良いでしょう。なあに、優良さんならきっとすぐ慣れるはず。

 作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。新型プレイドール、ルーシーMark3.5が登場。これは変則的だけど面白い設定。確かにユリア&ルーシーシリーズなら、こんなものも作ることは可能。ネタ的に非常においしいキャラで感心しました。Mark3.5の逆バージョンも作れそうだし、まだまだいろいろヒネれそう。

 文月晃「海の御先」。火凜、そよぎ、雫の3人娘が、夏休みの間、凪の家に泊まり込むことになる。一つ屋根の下ってことで、さらにハーレムラブコメ状態が加速。これまでは雫>火凜>そよぎくらいの状態。火凜は家がすぐそばというアドバンテージがあったが、それが失われることになるけど、まあ3人の順位は変わらないかなー。

 あと今号には読切が2本掲載。三島慶太「ラジオヘッド・ボーイ」は、ラジオ番組の投稿職人だけど実生活では「つまらない奴」扱いされている主人公が、バイト先の好きな女の子のために頑張ろうとする……という青春ストーリー。「面白い人」でないと好かれないという状況については、なかなかいたたまれないものがあったりはしますが、作品としてはまあまあまとまっている。

 鳳かずよし「那由多 カスミの合気」。子供の頃に引っ越していった幼なじみ少女が転校生としてやってきて再会。その間に主人公少年はイジメられっ子になっていたが、それとは対照的に少女のほうは合気道の達人になっていた。んでもってかわいい少女が男たちをバンバン投げるというお話が展開される。お話としてはもう一押し欲しいかなと思うけど、絵はなかなかかわいくて好印象。そのほか今号では、作:原田重光+画:瀬口たかひろ「オレたま」の番外編も掲載されている。

【雑誌】ヤングアニマル 5/9 No.9 白泉社 B5中

 東雲太郎「キミキス」。二見さん編が最終回。おしまいのほうは、二見さんの進路が自分とは違うものになるであろうことを考えて光一がちょっと悩むという展開だったが、まあそこらへんは愛の力でクリア。途中からの二見さんのデレデレっぷりはかなり激しく、ラストのほうもトロけまくっていた。あとNo.8でのキスシーンは、そのままエッチになだれ込まないのが不思議なくらいって感じでした。甘ったるくて今エピソードも楽しかったです。次のヒロインは誰になるんですかのう。星乃さんが濃厚かなと思うけど、残る大物は彼女くらいな気もするので(ゲームのほうやったことないので詳しいことは知らんですが)、連載を今後も続けることを考えればラストまで取っておく可能性もあるかな?

 新連載、たくまる圭「アルフー少年」。頭悪めでしょうもないことばかりしている少年・小島が主人公。彼はバンドやって学校でカッコつけようとしていたが、クラスメートと組む予定だったバンドは結成前に解散。そんな折り、彼は「二胡」という楽器を弾いている美しい女性と出会う。彼女は実は小島少年の通う学校の新任教師で、その出会いによって小島君の生活はガラリと変わっていくのだった……というのが第1話の大まかなストーリー。扉絵からすると、小島くんはこれからニ胡に目覚めて、それにハマってくって感じだろうか。音楽モノとしては題材としている楽器がちと変わり種だけど、どんなふうになるでしょうな。たくまる圭のヤングアニマル連載は久しぶりだし、頑張ってほしい。

 森恒二「ホーリーランド」。ユウとイザワのラストマッチが決着。恨みつらみのない純粋な戦いだったので、結末は爽やかだった。あと何回かで最終回でしょうね。黒沢R「ドエメスト」は読切で再登場。凶悪なヤンキーである主人公・大和猛が、ドMの彼女・江村かなえのマゾ体質に圧倒されつつ、彼女のために頑張ってS男になろうとしていくというドタバタギャグ。ちょい下品っぽいギャグを勢いよく展開する作風はえりちん似で、まずまず楽しい。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/25 No.9 小学館 B5中

 星里もちるの集中連載「光速シスター」が開始。ドラマ好きな主人公・三谷が、ドラマの撮影現場を探訪していた最中に事故に遭う。しかし彼が気づいてみたらそこは自分の家で、そこには妹のハナが泊まりに来ていた……というところから始まる物語。この妹というのはどうも宇宙からやってきた存在っぽいんだけど、主人公は記憶を書き換えられているのかそうと気づかず。そんな状況でラブコメ模様が展開されていくのかなーといった感じのお話。今回の作品はわりと軽いノリで、ラブコメにSF風味もちょいプラス。なんか星里もちる初期をちょっと思い出しましたよ。昔とはだいぶ絵とか違いますけどね。

 作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世道」は最終回。刑務所に入り、新たな人脈を構築した常次朗は、金貸しをやめて別の事業に乗り出す。けっこう思わせぶりな前振りがあっただけに、常次朗の選んだ道はかなり意外。いちおう金貸し時代の人脈は生かしてたけど、これだと刑務所編の意味があんまりなかったような……。区切りはちゃんとついてるけど、長く続いたシリーズだけにもう少しじっくりやれると良かったんですが。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/9 No.10 小学館 B5中

 谷澤史紀が読切で登場してちょっとびっくり。以前コミックフラッパーで読切や「すいむ。」を描いていた人だが、最近はおそらく同一人物であろう「葉雨たにし」名義のエロ漫画仕事のほうが多かった。でもまあ元々、非エロ系のラブコメも面白かった人なんで、これを期に一般誌でも活躍してくれるとうれしい。で、今回の作品「電柱なんか見ないで!」前編は、電柱の写真を撮ってそれをホームページに載っけるのが趣味な彼氏と、その彼女のお話。彼氏の趣味はちょっと変わってるけど、微笑ましいラブコメ模様を展開していてわりといい感じ。彼氏が電柱写真撮りに夢中で、ちょっと電柱に嫉妬状態なカノジョさんがカワイイ。爽やかで暖か、それから甘い雰囲気のある作品作りが前から気に入っております。後編も楽しみ。

【単行本】「謎の彼女X」3巻 植芝理一 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 謎の彼女・卜部さんと、彼氏の椿くんたちの恋愛模様が描かれていくこの作品だけど、3巻になってますますエロっちくなってきた。とくに椿くんのおともだちである上野くんの彼女である丘さんが出てきてから、いろいろ刺激が加わってエロさがアップ。上野くんとキスしたりしている丘さんに話を聞かされる、というかよだれを通じて感覚を共有することで、卜部さんのムラムラ度もじょじょにアップ。3巻の後半では乳を触るとかいう話も出てきて、なんともまあムンムンしてます。

 まあ実際やっていることといえば、最近の若者としちゃ、そんなに過激でもなくて、むしろ初々しいくらいなんですよね。でも描き方がエロい。視線がエロい。卜部さんや丘さんの身体を描くときの、爽やかでありながらねっとりした視点には、なんともソソりたてられるものがあります。勃起を催すかといえばそこまででもないんですけど、エロオーラはビンビン出ております。

 とくに自分的にそそられたのは、卜部さんの私服姿。体型がモロに浮き出るセーター姿がグッとくる。露出度的により高い、体操服、水着のシーンも眼福ではありましたが。あと丘さんのナマイキボディもけしからんですな。この娘さんの夏服姿は、パンチラ寸前程度までスカートがふわりと浮き上がってるシーンが多いので、これまた煽情的。

 あとちゃんとラブコメとして甘酸っぱくできてるっていう点ももちろん書き記しておきたい。上記のような書き方だと、ただエロいばかりの作品に思えちゃうかもしれませんので……。風変わりなつきあい方ではあるけれど、きちんと少年少女が一歩一歩距離を縮めていく、恋愛のトキメキがあふれかえってるのはたいへん良い点だと思います。

【単行本】「碧 水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]

 水の星と宇宙の物語を、自由闊達に展開していてこの巻も楽しい。ロマンあふれる展開やら、甘酸っぱい恋愛モノなど、作者が描きたいように楽しく描いているなーという感じ。とくにラブコメがらみのお話は良い。再婚した連れ子同士である主人公と姉妹2人の恋物語である「どってん」なんかは、ハーレムラブコメ的な快感がある。「凪と桜」も切ないけれども甘い愛情物語を構築。手描きタッチの暖かさあふれる風景描写もいつもながら上々で、読んでいて気持ちが良い。お話を一時代に絞ってないし、キャラもそのときどきで変わるんで、この枠組みなら大石まさるはなんぼでも描けそう。しっかり面白いです。

【単行本】「BLUE DROP 天使の僕ら」2巻 吉富昭仁 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 おしまい。女性のみの異星人によって支配された地球の物語。主人公のショータは、女に改造されてしまった親友のケンゾーにSEXしてくれと頼み込まれるが、それがきっかけでトラブルに巻き込まれ、アルメと人類をめぐるさまざまな性事情を目撃していく。1巻では百合ネタあり、女装ネタあり、女装姿での立ち小便ありと、かなりはっちゃけた印象が強かったが、2巻はけっこうちゃんとまとめてきた印象。設定の大きさのわりに、全体としてはこじんまりとした感じになっちゃったかなあとは思うけれども、まあ局面局面のぶっとびぶりはけっこう楽しかった。


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